岳南電車は、岳南富士岡駅構内に留置している貨物輸送用の電気機関車を活用し、観光スポットとして整備します。
岳南電車の前身である岳南鉄道は、沿線の製紙工場などの貨物輸送を主力事業としていましたが、トラック輸送へのシフトにより需要が縮小し、貨物営業は2012年3月31日をもって終了しました。岳南電車は、貨物輸送において長らく活躍した電気機関車を観光資源として活用することを決め、これらを展示する「電気機関車公園(仮称)」を岳南富士岡駅構内に整備します(路線図は下図を参照)。
同駅構内に留置されている電気機関車は、1927年(昭和2年)に豊川鉄道(現在のJR飯田線)向けに製造された最古参の「ED291」、1928年(昭和3年)に製造され、上田温泉電気軌道(現在の上田電鉄)などでも活躍した「ED501」など合計4両です。展示にあたっては、塗装店のボランティア活動団体「塗魂ペインターズ」によって塗装が行われます。一部の機関車については、貨物営業当時の走行場面を少しでも再現させるため、前照灯の点灯や、汽笛の音を復元する整備もあわせて行われます。
構内には案内パネルや安全フェンス等が設置され、市民や観光客がくつろげるスペースとなるウッドデッキも整備されます。岳南電車の夜のイベント列車「夜景電車」の運行にあわせ、機関車がライトアップされるよう照明が新たに設置されます。
公園としての整備は2021年8月中旬に終え、8月21日(土)にオープンする予定です。正式な施設名称は現在選定中とのことです。岳南電車は、同社沿線ならびに富士市の新たな観光スポットとするべく準備を進めており、ぜひ期待してほしいと話しています。